分電盤タイプ

分電盤タイプは、分電盤に内蔵されたセンサーによって揺れを感知し、ブレーカーを落として電力供給を遮断するタイプである。

一般社団法人日本配線システム工業会において「感震機能付住宅用分電盤規格 JWDS0007 付 2」(以下「JWDS0007 付 2」という。)が定められており、自主認定がなされている。

当該製品の設置には電気工事士による電気工事が必要である。

分電盤タイプは、その機能に応じて「基本型」「バリアフリー型」「増設型」に細分化することができる。

「基本型」は、分電盤タイプの標準的な仕様であり、分電盤に内蔵されたセンサーによって揺れを感知した後、一定時間後(通常の場合3分後)にブレーカーが落ち、電力供給が遮断されるものである。建物の中にいる人々は、当該待機時間において、建物からの避難や電気製品の電源を切る等の安全確保を行うことが可能である。

「バリアフリー型」は、「基本型」の機能に加えて、例えば、電力供給の遮断前に分電盤が設置された場所とは別の任意の居室等において、事前に音声により警告を発する子機を設けたり、安全確認後、当該子機より分電盤の感震遮断動作を中断したりするなど、バリアフリーの機能が付加されているタイプである。

「増設型」は、感震遮断機能のない既存の分電盤に感震リレーを外付けするものであり、漏電ブレーカーが内蔵されているタイプに増設をすることが可能である。増設された感震リレーに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、接続された既設分電盤の漏電ブレーカーを作動させることで電力供給を遮断する機構となっている。

<出火予防が期待される範囲>

「分電盤タイプ」の感震ブレーカーの設置により、電気火災の予防が期待される範囲の概念図を図表3に示す。

分電盤以降の電力供給が一括して遮断されることから、予防範囲は、各電熱器具等のほか、電源コード、コンセント及びブレーカー以降の屋内配線全般となる。

〇は予防範囲対象、×は対象外を示す
出火予防範囲 屋外(変圧器等) 屋内配線 コンセント 電源コード 電熱器具等
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分電盤タイプの出火予防範囲の概念図

図表3 分電盤タイプの出火予防範囲の概念図