総合タイプ

分電盤タイプのうち、今後、開発が期待される感震ブレーカーとして、建物全体にわたり回線毎の電力供給の遮断の有無や遮断までの時間を選択できる機能を持つタイプであり、本ガイドラインでは総合タイプと呼称する。

例えば、電熱器具等、多用な電気機器が接続される可能性の高いコンセントについては即時の遮断を行う一方で、避難上必要な照明等については一定時間後での遮断、また災害時においても通電を継続することが必要な在宅用医療機器等については、当該配線を含め、別途、出火防止措置に配慮した上で、電力供給を遮断しない設定とすること等も考えられる。

<出火予防が期待される範囲>

「総合タイプ」による電気火災の予防が期待される範囲の概念図を図表6に示す。

回線毎に電力の遮断の有無や遮断までの時間を設定できるタイプが開発された場合、大規模地震発生時に必要最低限の通電を確保した上で、その他の回線を遮断することが考えられる。

分電盤以降の電力供給が一括して遮断されることから、予防範囲は、通電を確保した回線以外の回線について、コンセントに接続された電熱器具等のほか、電源コード、コンセント及びブレーカー以降の屋内配線全般となる。

なお、通電が維持されている回線の屋内配線等については、出火防止について十分な配慮が必要である。

〇は予防範囲対象、×は対象外を示す
出火予防範囲 屋外(変圧器等) 屋内配線 コンセント 電源コード 電熱器具等
×
(通電継続回線を除く)

(通電継続回線を除く)

(通電継続回線を除く)

(通電継続回線を除く)
総合タイプの出火予防範囲の概念図

図表6 総合タイプの出火予防範囲の概念図