性能評価試験で用いる波形について

感震性能評価試験で用いる波形について

感震性能の評価試験で用いる地震の波形については、性能試験の再現性、安定性の高さ等から、一定の加速度と周期を持つ正弦波とする(図表12)。

この場合の加速度及び周期は、気象庁による周期及び加速度と震度(理論値)の関係(図表 13)、木造住宅等の固有周期、JWDS0007 付 2 を勘案し、作動確認は、加速度 250gal:周期 0.3, 0.5, 0.7 秒の3種類の揺れ、不作動確認は、加速度 250gal:周期 0.1 秒と加速度 80gal:周期 0.3, 0.5, 0.7 秒の4種類の揺れにより確認することを標準試験とする。

ただし、簡易タイプ及びコンセントタイプについては、・ ユーザーによる設置が可能なタイプもあり、設置に伴う作動精度の確保に一定の限界を有する場合が想定されること

  • 簡易な感震機構を有する場合、感震精度の確保に一定の限界を有する場合が想定されること
  • ただし、閾値近傍における感震精度に一定の限界がある場合についても、相当程度の地震動においては所期の作動が期待され、電気に起因する出火を予防する効果が認められることなどから、作動確認は、加速度 250gal:周期 0.5 秒、不作動確認は、加速度 80gal:周期 0.3 秒の簡易試験により確認することができるものとする。

これは、

  • 一般的に震度が小さい地震動は周期が短い成分が多く、震度が大きくなるに従い周期が長い成分が増す傾向があること
  • 同一の周期を用いた振動試験を避けることで、製品のもつ固有周期との共振による不自然な作動・不作動結果を排除することが望ましいこと
  • 上記2点を勘案した場合、当該波形は、標準的な作動・不作動試験において用いる波形のうち、震度5強相当、震度4相当の代表的な組み合わせであること

を考慮したものである。

図表 12 感震性能の評価試験区分
標準試験 簡易試験
加速度(gal) 周期(秒) 加速度(gal) 周期(秒)
作動確認 250 0.3,0.5,0.7 250 0.5
不作動確認 80 0.3,0.5,0.7 80 0.3
250 0.1
周期及び加速度と震度(理論値)との関係(均一な周期の振動が数秒間継続した場合)

図表 13 周期及び加速度と震度(理論値)との関係(均一な周期の振動が数秒間継続した場合)