その他の留意事項

その他の留意事項

(1)分電盤タイプについて

分電盤タイプの普及にあたっては、その主たる設置機会である住宅の新築時に、住宅の耐震性等と合わせて、地震時における高い出火防止機能を有する仕様について選択が可能となるよう、感震ブレーカーのメーカー等にあっては、住宅メーカー等との連携が強化されることが望ましい。

(2)コンセントタイプについて

電気の供給を遮断する対象機器の選択、室内のレイアウト変更等に伴う機器の調整、充分な設置個所の確保等についてユーザーにおける高い防災意識の維持について留意が必要である。

なお、在宅用医療機器等を使用している家庭等、特別な配慮が必要な場合等においては、これらの通電の継続が必要な機器を除き、電熱機器等が設置されるコンセントに同タイプを用いることにより、防災性の向上を図ることも想定される。

(3)簡易タイプについて

消費者が自ら設置を行うため、設置の仕方による所要性能の発揮の安定性について十分に留意が必要である。

特に、既設の分電盤に設置可能なスペースが確保されていること、例えば、分電盤に蓋が掛かっておりそのままでは設置が困難な場合も想定されること、分電盤によってはノブの作動に必要な力が不足する場合があること等、既存ブレーカーとの適合性に十分に留意しながら、確実に動作することを確認した上で設置する必要がある。

さらに、粘着テープを用いて設置する場合にあっては、不適切な接着方法や経年劣化等による誤作動を防ぐため、設置者においては、必要に応じて固定状況の確認、テープの交換を行うなど、別途留意が必要である。

なお、簡易タイプであっても、市街地における既存住宅を対象に面的な普及が進むことで、大規模地震時に相当程度の電気に起因する出火の抑制効果が期待できることから、地域の防災意識を高める上でも、有意であるものと考えられる。

(4)総合タイプについて

中・長期的な視点に立ち、非常時に電気が遮断されることに対する建物の中にいる人々の不安を緩和しつつ、高い防災性を有する建物としての開発が期待されるが、製品化にあたっては、機能上、電気配線の設計段階からの考慮が必要となることから、分電盤等の機器メーカーのみならず、住宅メーカー等との連携により開発されることが望まれる。