地震時の電気に起因する主な出火状況
大規模地震時における電気に起因する主な出火状況は、以下のように整理できる(図表2)。
感震ブレーカー等は、1~4のケースについて一定の有効性を有するものと考えられるが、例えばケース5のような電気の使用開始後に出火する場合には、効果が認められないものと考えられる。

ケース1
在宅中に大きな揺れが発生し、通電中の電熱器具の転倒や可燃物の落下・接触、配線の損傷による短絡や漏洩ガスへの引火等により、直後に出火したが、初期消火に失敗し、出火に至るケース。
ケース2
外出中で不在時に大きな揺れが発生し、通電中の観賞魚用水槽等の転倒による過熱や、家具の転倒等による通電・可燃物の接触、配線の損傷による短絡等により、直後又は一定時間後に出火したが、不在のため初期消火ができずに、出火に至るケース。
ケース3
在宅中に大きな揺れが発生し、避難した後の不在時に、通電中の観賞魚用水槽等の転倒による過熱や、家具の転倒等による通電・可燃物の接触、配線の損傷による短絡等により、一定時間後に出火したが、不在のため初期消火ができずに、出火に至るケース。
ケース4
在宅中に大きな揺れが発生し、直後に停電が発生したことから、通電中の電熱器具の転倒や可燃物の落下・接触、配線の損傷状況等が確認できず、又は電源を遮断する余裕がなく避難した後、不在時に停電が復旧し出火したが、不在のため初期消火ができずに、出火に至るケース。一般的に「復電火災」「通電火災」と呼ばれるケース。
ケース5
在宅中に大きな揺れが発生し、同時に停電が発生したため、一旦避難した後に停電が復旧したことから帰宅。電気の使用を再開したものの、地震に伴う配線の損傷等に気づかずに出火したが、初期消火に失敗し、出火に至るケース。